投資の基本

投資に必要な能力

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「10年待てないなら株を買ってはいけない」

「株券ではなく事業を買う」

投資の神様として崇められているウォーレン・バフェットの言葉です。これはあくまで株式の話ですが、実際は他の投資についても同じことが言えます。投資は自分がこれから買うモノの本当の価値をしっかりと見極めようとする姿勢が第一、ということです。上がりそうだから、下がりそうだから、という理由で売買してはいけません。

投資と投機の違い

投機と投資は、一見どちらも資金を増やすための手段ですが、その目的やアプローチには大きな違いがあります。投資は良い未来を築くためにお金で応援する行為であり、投機は未来予測を通じてお金を儲ける行為です。当メディアでは社会と個人双方が豊かな未来を築くために「投資」を推奨していますが、短絡的にお金を稼ぐための「投機」は推奨していません。

投資(Investment)

  • 目的:長期間にわたり保有する資産価値を高めていくことを主な目的とします。
  • 期間:中長期的な視点での取引が主流で、数年から数十年にわたることが多いです。
  • 手法:企業の業績や将来性、経済の動向を分析し、成長が期待できる企業や資産に対して資金を投入します。株式、債券、不動産などが主な投資対象です。
  • :企業の成長性を見越して株式を購入し、数年後の売却益や配当金を期待する、不動産を購入し賃貸収入を得るなど。

投機(Speculation)

  • 目的:短期間で大きな利益を得ることを主な目的とします。
  • 期間:短期的な取引が主流で、数日から数週間、場合によっては数分から数時間の取引も含まれます。
  • 手法:市場の価格変動を予測して、価格が上がるか下がるかに賭ける形で取引を行います。デリバティブ商品(オプション、先物など)や短期的なトレードが一般的です。
  • :株価が急騰する噂を聞いて、その株を買って短期間で売却する、FXで短期的な為替変動を狙った取引を行うなど。

これらの違いを理解し、東京リッチアカデミーでは皆様が「投資する」という姿勢で金融取引に臨むことを提唱します。ただのお金儲けという姿勢は決して人生を豊かにはしてくれません。社会に還元し、事業に貢献し、巡り回って自身も豊かにしてくれる、そんな投資をしていきましょう。

バフェットから学ぶ「投資成功」の秘訣

改めて、世界一の投資家と称されるウォーレン・バフェットはご存知でしょうか。印象的な経歴と業績、独自の投資哲学を持つ彼は、一体どのようにして、投資で日本円で30兆円に及ぶ莫大な資産を築き上げたのでしょう?

バフェットの成功は偶然の産物ではなく、長年の洞察に基づく資産運用戦略とその実行力によるものと言えます。彼の逸話を元に、私たちもそれらの資質を学べるかもしれません。

ウォーレン・バフェットの人生

バフェットの幼少期

バフェットは1930年にアメリカのネブラスカ州オマハで生まれました。父が証券会社を営んでいたことも影響し、若くして投資に興味を持ちます。バフェットが初めて株式投資の行ったのは11歳のときでした。姉とともに1株38.3ドルでシティ・サービスの株を3株購入しましたが、株価は一時大きく割り込みます。

そして40ドルまで回復した段階で売却しました。しかし、その株はその後急騰し一株202ドルまで上昇しました。このときの教訓が短期的な売買のリスクを避ける戒めになったのかもしれません。

ベンジャミン・グレアムとの出会い

1949年、19歳だったバフェットは、ベンジャミン・グレアムの著書『賢明なる投資家』に出会います。彼はその後、コロンビア・ビジネス・スクールでグレアムの授業を履修し、1954年から1956年までは株式アナリストとしてグレアムのもとで働き学びます。

グレアムは、投資を次のように定義しています。「投資とは詳細な分析に基づいて、元本の安全性と満足できるリターンを確保する行為だ。これらの原則を満たさない行為は投機と言える」。

グレアムの言う投資における3つの重要な要素は、次の通りです。

(1)詳細な分析:投資とは、会社の一部を保有する行為である。投資する際には、会社の一部ではなく全体を買う場合と同様の質問を自分自身に問いかけなければならない。たとえば、「売上高と利益の過去の推移はどうか」「顧客からの評判は良いか」「資産は潤沢で負債は少ないか」「競争環境はどうか」「経営陣は有能で誠実か」など。

(2)元本の安全性:株式を買うときは、取得価格と自分自身が計算した企業の本質価値の間に大きな安全性マージン(安全性の余裕度のこと)があるときのみ買うべきだ。

(3)満足できるリターン:卓越したリターンを目指してはならない。最大限の利益を得ようとして売買のタイミングを逃しては本末転倒である。

投資家としての資質

さらにバフェットはグレアムから、投資リターンは投資家の持つ知識、経験、気質に左右されることを学びます。二人の人間が同じタイミングで同じモノに投資したとして、同じだけの利益を得られるとは限りません。

まず知識について、投資家はその会社のビジネスについて理解しておかなければなりません。特に、会計とファイナンス、経営戦略については、ある程度の専門的知識も必要です。これらの知識は、投資家としての経験を通じて深まります。また、ほかの投資家の失敗や成功談から学ぶものもあるでしょう。

また投資においては、IQよりも気質が重要です。いくら賢くても、精神面での正しいアプローチを心得ていなければ、投資はうまくいきません。たとえば、一部の投資家が最新のテクノロジーに投資して利益を上げていることにつられ、便乗する投資家もいます。市場や周囲の熱狂に影響されて判断が人任せになるのは危険な兆候です。

グレアムはバフェットに、「ほかの投資家を出し抜きたいのであれば、マーケットで人々が何に気を取られているのかを理解する必要がある」と言い聞かせました。

バフェットは語ります。

「多くの投資家たちは、企業の将来への期待に関心を持っています。しかし、将来のことを正確に予測することは不可能です。そうしたことに気を取られていると、貸借対照表や過去の利益の推移、株価など、もっと重要な事柄を見落とします。不明瞭なビジネスストーリーに気を取られ、その企業の本来の姿を無視してはいけません」

周りに流されず、冷静になって自分の目と頭を通して投資先の企業の価値を見定めようとする、それが一流の投資家としての初めの一歩なのかもしれませんね。

2023年3月時点での米SEC(証券取引委員会)の提出書類によれば、バフェットの総資産価値は約3,000億ドルにのぼります。彼の投資哲学は「バリュー投資」「成長株投資」で知られ、長期的な視点から企業の価値を評価し、その企業の株を購入するというものです。

投資家に必要な素養

インターネットとスマートフォンが普及し、誰でも容易に最新の情報にアクセスできるようになった昨今、プロとアマチュアの持つ情報格差はほとんどないに等しいです。

では投資の成功を左右するのものはなんでしょうか?それは投資を決断する一人一人の資質と素養かもしれません。

「株式投資の極意とは、いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続けること。これに尽きる」

自分でしっかりと調べて、本当に良いと思ったものに投資する。目先の情報や利益に惑わされず、この姿勢を貫く者こそ一流の投資家と言えるのではないでしょうか。

情報も大事ですが、投資と何か?なにが目的なのか?なぜするのか?軸を以って投資判断し続けることが成功への一番の近道かもしれません。

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