【2024年】世界で一番分かりやすくNISAを解説
NISAってそもそも何?
NISAとは「少額投資非課税制度」であり、株式や投資信託への投資で得られた利益を非課税とする仕組みです。本来であれば個人投資家は、投資で得られた利益に対し約20%の税金を納めなければなりません。「NISA口座」を通して株式などを取引し、発生した利益には税金がかからないのが魅力です。
友達にもNISAの話ふられるけど正直なんのことかわからん
きちんと理解して利用すれば資産運用に大きく役立つわよ
NISAはなぜ誕生した?
NISA(少額投資非課税制度)は、表向きは各家庭の家計の安定的な資産形成を支援するために作られた制度です。個人の投資を促進する目的で、投資信託や株式を購入する際に利用できます。
一方でNISAは本来国が投資の利益から取るべき税金を0にすることで、あえて損をしています。では、日本政府はなぜ税収を減らしてまでNISAの普及を推進するのでしょう?
上記は東京証券取引所の示す、上場企業の株式の保有割合です。東証に上場する企業全ての時価総額は約900兆円にも上り、そのうち150兆円分の株式は個人投資家が所有することになります。対して日本に眠る国民の銀行預金額は1000兆円を超えます。
日本は世界的に見ても資産の預金割合が非常に高い国です。もし今後、国民一人一人が投資を正しく理解し、資産運用の投資比率を高めていけば、それは間違いなく莫大な経済効果を生み出すでしょう。
よって国家が税収を減らしてまでNISAを通して国民に投資を促す理由、それはすばり大きなメリットがあるからです。株式への投資額がより増えれば株価は高くなり、日本経済全般に良い影響が期待できます。そして景気が良くなれば、国民の生活が豊かになり、政権支持率も上がるでしょう。
上のグラフは日本の景気を示す日経平均株価の年度ごとの始値の推移ですが、実際に2014年にNISAが始まって以降、右肩上がりに上昇しているのが分かります。
NISAの制度により、国民の生活が豊かになり、国家経済と政治も安定する。正しく普及することで国民と国家双方にWin-Winの関係を生み出すのがNISA制度の狙いです。
なんとなく怪しい制度なんじゃないかと思ってたけど、国はNISAを通して個人投資を増やしたい思惑があったんだな……
個人投資が増えれば景気が良くなって国も人も潤う、それを実現するために日本はNISA制度を推進しているのね
NISAの制度
今回の記事ではこれからNISA投資を活用する方に向けて、2024年からスタートした現行の「新NISA制度」について記載します。2014年にスタートした「旧NISA制度」とは制度が異なりますのでご注意ください。
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類が存在します。成長投資枠では、株式や投資信託を購入し、その購入分は年間240万円まで認められます。一方でつみたて投資枠は、毎月一定額を積み立てていくスタイルで、年間120万円まで認められています。
また注意点として、生涯でNISA制度を適用できる投資額は最大1,800万円ということです。仮に年間上限の360万円を毎年投資した場合、5年間でNISA制度の最大利用額に達することになります。
NISAのメリット
NISAは利益に対して税金がかからないため、運用益を有効活用できるのが魅力です。
仮にNISAの成長投資枠を利用して投資した株式が長期的に高騰し「1億円の利益」が生まれたとしましょう(単純計算で1,200万円の最大分投資し、数年後に企業価値が10倍になれば利益は1億円です)。するとNISA制度によって本来支払わなくてはならない「利益の20%=2,000万円の税金」が免除されます。
またNISAで購入した株式などの非課税期間は恒久です。極端な話、買った株式を50年後、100年後に売ったとしても利益に対して非課税なので、期限などの心配をすることなく安心して長期保有することができます。
しかし、もしNISAで投資した株式を短期的な売買によって少ない利益で売却してしまう場合、たった数万円の免税でNISA制度を使い切ってしまう可能性もあります。基本的にNISAは大きく化けることを期待して長期で保有する投資に活用しましょう。
場合によっては生涯で2,000万円の節税に繋がるのは夢があるな
日本企業だけで見ても上場後に企業価値が10倍~100倍に成長した事例はたくさんあるわ、NISAで数千万円から数億円の節税に繋がる可能性は決して夢物語じゃないのよ
NISAのデメリット
一方でデメリットも存在します。当然ですが元本保証はなく、普通の投資と同じく損失を被るリスクは一緒です。NISA自体は利益に対する非課税制度にすぎないので、活用すれば絶対に得をするという仕組みではありません。
さらに短期的な利益を重視する投資家にとっては非課税枠の効果は薄く、投資対象商品が限られるので自身が選びたい商品が対象外である場合も考えられます。
また投資した株式などの含み益が十分に出ているにも関わらず、最大限得をしたいがあまり心理的に利益確定ができなくなる恐れもあります。
例えばNISAを利用して投資した株式が5年で10倍になり、今利益確定すれば2千万円が免税されます。しかしその企業はまだまだ成長の見込みがあり、あと5年待てば更に10倍の成長が期待できるとします。もし5年待って株式が当初の100倍になれば、2億円の免税です。あなたならどうするでしょう?
投資はどれだけ含み益が出ていても売却するまでは利益確定ではありません。上記の例も、もし景気が落ちたり会社の業績が落ちれば、株価が下がって利益がゼロになる可能性もあります。生涯で利用できる枠に上限があるからこそ、取引判断に影響を及ぼす点はNISAの大きなデメリットです。
なるほど、何事も欲をかいては危険ということだな
NISAに限らず売買のタイミングが投資成功の鍵を握るのよ
NISAは利用すべき?
結論から言えば、長期投資をするなら活用して損はありません。デイトレードなど、短期的に株式を売買するのであれば利用する必要はありません。
長期的な視野で資産形成をしたいと考えた時、NISAを活用した投資は安定的で大きなリターンを生み出す可能性があります。またNISAの利用には専用口座の開設が必要ですが確定申告も不要なので、多くの人にとって扱いやすい制度と言えるでしょう。
ただしNISAが必ずしも全員に適しているとは限らないため、慎重に検討することが重要です。目的によっては他の投資手法が良い場合もあります。
NISAつみたて投資枠
つみたて投資枠は、長期にわたる資産形成を目的としたNISA投資枠です。毎月決まった金額分の投資信託を、一定期間購入し続ける形で投資します。
NISAにおけるつみたて投資枠の年間上限は120万円ですが、生涯上限は1,800万円(毎年最大限投資すれば15年間)です。しかし成長投資枠を最大限の1,200万円活用する場合は、つみたて投資枠は600万円(毎年最大限投資すれば5年間)までが上限になりますので注意しましょう。
何を買うべき?
当メディアの提唱する年間の理想運用益は10%ですので、過去10年で見てこの利回りを満たしている投資信託を積み立てるのが良いでしょう。単年で見れば年利20%~40%の投資信託も存在しますが、10年スパンで運用する長期投資において何より大切なのは確実性と安定性です。
1年間の世界経済の成長率が3%であり、当メディアは金融のプロが安全に安定して出せる年間の利回りの理想値を10~15%だと算出しています。ここ数年は世界的に見ても金融市場は成長期なのでこの利回りを実現している投資信託は多いですが、将来的な経済指標の下落リスクも考慮してポートフォリオの安全性が高いものを選ぶと良いでしょう。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
「集めた資金をどのような対象に投資するか」は、投資信託ごとの運用方針に基づき専門家が行います。
NISAつみたて投資枠につきましては利益分が非課税になりますので、ズバリ長期運用したときに安定的な成果が期待できる銘柄を選ぶのがおすすめです。
またつみたてNISAの銘柄は大別すると「株式100%型」「複合資産型」の2種類あります。
「株式100%型」とは、顧客から託されたお金をすべて株式に投資して運用される投資信託のことです。一方、「複合資産型」とは、株式に債券やリート(不動産)といった他の資産も組み入れて運用される投資信託のことです。
債券は株式に比べてリスクとリターンが低く、かつ逆の値動きをする傾向があるので、リスクを抑えた安定運用を望むのであれば、「複合資産型」を選ぶのがおすすめです。反対に、リスクが高くともリターンを狙うのであれば、「株式100%型」を選ぶとよいでしょう。
つみたて投資枠を利用するにあたって
長期での運用が前提になりますので、まず資産運用の目的を明確にすることが大切です。
運用目的の事例
- 30年後の老後資金
- 20年後の海外旅行資金
- 10年後の子供の学費
毎月いくら投資するのか、将来どれくらいのリターンを期待するのかを事前に整理しておきましょう。また投資にはリスクが伴うため、投資商品のリサーチを行うことも重要です。具体的には、過去の実績や信託報酬(運用手数料)を把握し、リスクも理解しておきましょう。こうした準備を怠らずに「つみたて投資」に挑むことで、安心して運用を続けることができます。
つみたて投資の注意点
NISAに限らず、つみたて投資は統計によると長期間投資を続けることで利益を得られる可能性が高まりますが、時期によっては始めたての頃に大きな含み損を経験することもあります。
特に株式市場が低迷する局面では、積み立てた期間に損失が蓄積する可能性もあります。これを考慮に入れ、他の投資手法も組み合わせて分散投資を行い、リスクを軽減しましょう。つみたて投資では瞬間的な損益に左右されず、地道に投資を続けることが大切です。
つみたてNISAは長期的な投資戦略であり、すぐに結果を求める方はストレスを感じてしまうでしょう。例えば生活が苦しい状況にある場合は家計が圧迫され、日常生活に思わぬマイナスを引き起こす可能性もあります。必ず金銭的に余裕を持てる範囲内で行うようにしてください。
後悔の声もある?
つみたて投資を行うことには多くのメリットがありますが、始めたけど後悔したという意見も存在し、具体的には「思ったほど資産が増えなかった、毎月決まった金額を運用するのが苦痛になった」という声もあります。
生活が厳しいと感じる中で資産運用にお金を回すのが難しくなる場合もあります。また株式市場の変動次第では含み損になる時期もあり、心理的なストレスが増すことも考えられます。つみたて投資は無理のない資金で、長期的な視野で行いましょう。
後悔している人に共通するのは早々に手放してる点だな
本来どちらも長期投資に向いているという点でNISAとつみたて投資は相性が良いわ、10年先を見据えて積み立てられるかが大事ね
NISA成長投資枠
成長投資枠も、基本的には長期にわたる資産形成を目的としたNISA投資枠です。株式などに好きなタイミングで投資し、売却時の利益は恒久的に非課税となります。
NISAにおける成長投資枠の年間上限は240万円で、生涯上限は1,200万円(毎年最大限投資すれば5年間)になります。しかし、つみたて投資枠の利用枠が600万円を超えると、成長投資枠の上限と競合するようになりますので注意しましょう。
成長投資枠では投資信託に加えて個別株にも投資ができるため、つみたて投資枠よりも取引できる対象商品が圧倒的に多くなっています。
何を買うべき?
結論から言うと、NISAの成長枠投資は将来大成長が期待できる中小銘柄の個別株への投資一択です!
NISAの一番の魅力は免税される利益に対して上限がないことです。つまり利幅が大きいほど、NISAの恩恵も大きくなります。企業価値の変動が少ない大型株よりも、将来大きな成長が見込める中小型株に投資して一攫千金を狙うのが定石です。
また長期保有で保有することが前提となりますので、自分が好きな会社、一生その株を保有しても良いと思える会社に投資するのも選択肢です。例として、ディズニーを愛する方はオリエンタルランドの株式に投資しても良いかもしれません。
「株式投資の極意とは、いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続けること。これに尽きる」
実際にどんな業種、企業に投資するかは個々で判断してください。投資のプロでも会社単体の将来を確実に予測することはできません。投資の素養を身に着けることが成功への近道です。
投資の初心者からすると、いきなり「個別銘柄を買え」と言われてもどう見つければ良いかもわからないな……
正直なところ、相性の良い会社や株式は人それぞれよ。バフェットの言葉を借りるなら「その会社を生涯応援し続けられるか」は一つの判断の指標になるわね
成長投資枠を利用するにあたって
当メディアでは中小型株への個別投資を強く推奨します。極端な話、リスクの少ない大型株に個別投資するのであればNISAである必要はないからです。
投資すべき中小型株の条件
- 企業価値が数十~数千億とまだ低い
- 成長市場に参入しており将来売上を大きく伸ばす可能性がある
- 業界平均と比較した時、企業の業績と成長曲線に対して割安感がある
しかし、一点投資は思ったように企業が成長せず元本割れするリスクも大いにあります。通常の株式投資と組み合わせて投資先を分散し、ポートフォリオ全体のバランスを整えることも大切です。
成長投資枠に利用期限はありません。焦ってすぐに利用するのではなく、上記の条件を満たす本当に良いと思える企業が見つかった時に活用しましょう。
成長投資枠の注意点
NISA自体がそうですが、つみたて投資枠と同じくこちらも短期的に取引したい場合は最適ではありません。長期で見て大きく成長する企業に投資すべきで、短期的に株価が1.5倍~2倍になったからといって短絡的に利益確定するようではNISAの恩恵を活かしきれていません。
目先の利益に惑わされず長期保有するコツは、将来的な企業の展望と成長を見据えてしっかり納得した上で投資判断することです。また短中期的なトレードに利用してしまうと、十分な利益が出ないまま年間利用上限の240万円に達してしまいます。
成長投資枠NISAも長期的な投資戦略であり、すぐに利益を求める方はストレスを感じてしまうでしょう。つみたて投資枠と同じく、こちらも金銭的に余裕を持てる範囲内で行うようにしてください。
後悔の声もある?
正しく理解して活かせれば、成長投資枠の利用には大きなメリットがありますが、あとから活かせてないことに気付いて後悔したという意見も存在し、具体的には「短期的なトレードを行ってすぐに利用上限に達してしまった、すぐに利益確定したせいで免税額が少なかった」という声があります。
また株式投資の運用資金を全てNISAに当ててしまい、資金を動かせなくなった事例もあります。資産運用全体の戦略に影響が出ては本末転倒です。
基本的には長期ホールドが前提だから、含み益が出てもすぐに売却に回して再投資するわけにいかないのか
NISAの利益非課税という恩恵を最大限活かそうとしたら売却して再投資の動きはできないから、5~10年後を見据えて余裕資金の範囲で投資すべきね
NISAまとめ
2024年に新NISAが施行され、これからNISA活用についてはますます重要性が高まっています。非課税制度をうまく利用することは、資産形成を加速させるチャンスです。しかし、間違った選択や無計画な運用はリスクを大きくしがちですので、しっかりと仕組みを理解した上で活用することが大切です。
NISAに限らず投資で成功するためには、常に情報をアップデートし、運用目標に合わせた手段を選ぶことが大切です。リスクを取って大きなリターンを目指すのか、それとも安全に長期的に資産を成長させていきたいのか、投資の目的に合わせて投資スタイルを決めることがポイントです。
投資をゼロから学ぶなら
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こちらの会社が提供する『株式投資スクール』では、株式投資で安定して利益を出すためのに必要なノウハウを体系的に学べます。特に「15段ステップアップ式カリキュラム」では、株式投資で利益を出すためのノウハウを効率よく学ぶことができます。
基礎を学んだからと言って投資が絶対に上手くいくとは限りませんが、安定して利益を生み出すには必ず基礎知識が必要になります。
新NISAについても分かりやすく解説しているので、とりあえず無料の体験セミナーを受講してみて判断すると良いでしょう。何より、スクールでは一緒に投資を学べる仲間を見つけられることが一番のメリットです。
こんな方はおすすめ!
- 株について初心者だけど始めてみたい
- とりあえず証券口座開設だけはした
- 情報収集しているけどいまいち分からない
- 一緒に投資を学べる仲間が欲しい
- 投資について基礎からきちんと学びたい
正直スクールって怪しいよね……本当に投資について学べるのかな
ファイナンシャルアカデミーの「株式投資スクール」は20年の歴史がある信頼あるスクールよ。もちろん向き不向きはあるから、まずは試しに無料の体験学習を受講してみるのがオススメね
たしかに初心者にとっては、これから一緒に投資を学べる仲間が見つかる良い場所になるかもしれないね
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